皆既日食は2026年8月12日、現地(スペイン本土はCEST=UT+2)夕方に進行する。皆既帯は大西洋で始まり、アイスランド南方を経て北スペインに上陸、その後地中海へ抜ける。スペイン各地では部分開始が19時台、皆既は20時台前半(場所差あり)。低空での現象のため地平線の抜けが重要。参照: https://en.wikipedia.org/wiki/Solar_eclipse_of_August_12,_2026
現象の本体は皆既日食で、皆既帯(太陽が完全に月に隠れる帯状の領域)がスペイン北部から東部、さらにバレアレス諸島へと横断する。皆既帯外では部分日食となる。都市部でも食分は大きいが、中心帯に入らなければコロナやベイリーのビーズは完全には見えない。見える現象は観測地点の帯入り/外で決まる。参照: https://en.wikipedia.org/wiki/Solar_eclipse_of_August_12,_2026
アストゥリアス~カンタブリア沿岸付近から本土に入り、カスティーリャ・イ・レオンの内陸を横切って地中海側へ。さらにバレンシア州北部からバレアレス諸島(マヨルカ等)方面へ伸びる。帯の幅はおよそ200km弱で、中心線に近いほど皆既継続が長く、周縁ほど短くなる。参照: https://eclipse.tabitamago.jp/total-solar-eclipse-spain-2026/#guan_ce_de_qing_baohttps://en.wikipedia.org/wiki/Solar_eclipse_of_August_12,_2026
皆既帯に入るのはア・コルーニャ、ヒホン、ビルバオ周辺の一部、サラゴサ近郊、バレンシア北方、パルマ・デ・マヨルカなど。都市境界や郊外では帯の内外が細かく分かれるため、厳密な地点指定が必要。市中心が帯外でも、数十km移動で皆既入りするケースがある。参照: https://en.wikipedia.org/wiki/Solar_eclipse_of_August_12,_2026
どちらも皆既帯外で部分日食。最大食分は非常に大きいものの、太陽円盤はわずかに残るため、真の暗闇やコロナ、プロミネンスの裸眼観察は生じない。いずれも皆既帯へ移動する必要がある。参照: https://eclipse.tabitamago.jp/total-solar-eclipse-spain-2026/#guan_ce_de_qing_baohttps://en.wikipedia.org/wiki/Solar_eclipse_of_August_12,_2026
最大は大西洋上で約2分18秒。スペイン本土ではこれより短くなるが、中心線近傍なら1分半前後の連続皆既が期待できる。継続時間は地点の中心線からの横ずれで急減するため、観測地選定で“線に寄せる”ことが時間確保の最重要施策になる。参照: https://eclipse.tabitamago.jp/total-solar-eclipse-spain-2026/#ri_shidetahttps://en.wikipedia.org/wiki/Solar_eclipse_of_August_12,_2026
多くの地点で皆既中の太陽高度は約5–10度。バレアレス諸島ではさらに低く、場所によっては“日没皆既”へ移行する。低空ゆえに建物・丘陵・樹木の遮蔽や大気減光の影響が大きい。東西南北の地形確認と、水平線方向の完全な開口が成功率を左右する。参照: https://eclipse.tabitamago.jp/total-solar-eclipse-spain-2026/#ri_shidetahttps://skyandtelescope.org/astronomy-travel/spain2026/
夕刻は地表冷却で低層雲が出やすく、北沿岸は海風起源の層雲が増える傾向。対して内陸平野は相対的に好条件だが、対流性の雲や雷雲が発生する年もある。短距離の機動を可能にし、雲底高度とドライラインの位置を直前まで監視するのが定石。参照: https://eclipsophile.com/tse2026/
全面隠蔽でコロナが顕在化し、極小高度では黄赤色の散乱光と混じる独特の色調になることがある。第2接触直前後のBaily’s beadsやダイヤモンドリング、彩層の赤、明るい惑星の出現、地平線周囲の夕焼けリングなど、低空皆既ならではの景観が期待できる。参照: https://skyandtelescope.org/astronomy-travel/spain2026/
光路長の増加で散乱・減光・シーイング悪化が増し、コロナの細部コントラストが落ちやすい。水平線近傍の光害や霞でダイナミックレンジ確保が難しく、露出ブラケットの刻みや迷光対策(遮光、レンズ面清掃)が効く。焦点距離は中望遠域が扱いやすい。参照: https://eclipsophile.com/tse2026/